リスニングめちゃ苦手で毎回半分しか得点できないんだよなぁ。
英作文でいい点を取ってどうにか逆転合格したいぞ…
英検を受験する場合、1次試験でリーディング・リスニング・ライティングの3技能が問われます。これら3技能すべてで高得点が取得できれば合格は確実なものになりますが、全員が各技能で高得点を取れる訳ではありません。
特にリーディングの長文問題やリスニングでは対策不足や思わぬ出題により合格目標点を大きく下回ってしまう人も少なくありません。
一方そのような方であってもライティング(英作文)で高得点を取って1次試験の逆転合格を果たす人もいます。
そこで当記事では準1級と1級の受験者を対象に、リーディングやリスニングで思うような点数が取れなかった人が逆転合格を勝ち取るためには、ライティングで何割得点する必要があるか見ていきましょう。
なぜライティングで逆転合格できるのか?
ライティングは満点や高得点のチャンスがある
ライティングはリーディングやリスニングと比較して満点や高得点のチャンスがあります。特に準1級であれば採点が比較的甘く、求められている基準を満たせば満点や9割以上の点数を頂けることも少なくありません。
一方リーディングは語彙で単語帳に載っていない新しい単語が出題されるする場合があり、リスニングは難易度が変動しやすいことから、帰国子女などを除いて高得点を安定して確保することは難しいのが現状です。
ライティングは得点率がCSEスコアに反映されやすい
ライティングは得点率がCSEスコアに反映されやすく、努力が実を結びやすい分野と言えます。
素点(得点率)とCSEスコアの関係性について確認すると、ライティングはCSEスコアの分布が幅広いことが分かると思います。
例えばライティングは満点から1点失点しても高いCSEスコアを獲得することが出来ますが、リーディングやリスニングは少しでもミスするとCSEスコアが一気に下がってしまう傾向にあります。
逆を言えば、リーディングやリスニングの得点率を9割まで上げても、満点を除きCSEスコアはあまり変わりませんが、ライティングで9割を取れればCSEスコアは大きく跳ね上がるのです。
ライティングは比較的対策しやすい
ライティングは正しい方法で対策すれば高得点を取りやすい出題方式です。採点基準が不明確という不安要素はありますが、問題の出題傾向が大きく変わることも少ないので、対策もある程度範囲を絞ることができます。
そしてライティングの中でも自由英作文はトピック別の定型文が使える場合も多いので、環境や経済問題、少子高齢化などの話題ごとに理由付けの文章をあらかじめインプットすることで、本番もスムーズに解答できるでしょう。
2024年度から始める要約問題の対策については未知数ですが、準1級までであればある程度型にはまった解答を行うことが出来るように思われます。
逆転合格に必要な点数を考察
リーディングやリスニングが苦手で、ライティングで逆転合格したい人のために、素点(得点率)とCSEスコアの関係に基づいて、逆転合格に必要な得点率について考察してみます。
準1級の場合
準1級の1次試験合格に必要なCSEスコアは1792点です。この基準に届くには一般的に各技能で7割の得点率が必要であると言われています。
リーディングで失敗した時
リスニングは7割(合格ライン)を獲得できたものの、リーディングで失敗してしまった場合に、ライティングで何割取る必要があるか見てみましょう。
リーディングの得点率が6割くらいの場合はライティングで8割で合格ラインに達します。
そしてリーディングの得点率が5割を割った場合もライティングで9割弱の点数を取れば逆転合格できることが分かります。
2024年度以降に英検を受験される人で、リーディングが苦手な人は、ライティングで26点(要約13点+自由英作文13点)を目標に勉強することをおすすめします。
リーディング 得点率(素点) |
リーディング CSEスコアの目安 |
必要なライティング の得点率 |
60%(25/41) | 584 | 81%(13/16) |
55%(23/41) | 575 | 81%(13/16) |
50%(21/41) | 566 | 81%(13/16) |
45%(18/41) | 555 | 88%(14/16) |
40%(16/41) | 540 | 88%(14/16) |
※リスニングで7割(20/29)を取得できた場合のリスニングのCSEスコアの平均は613点です。
リスニングで失敗した時
リーディングは7割(合格ライン)を獲得できたものの、リスニングで失敗してしまった場合に、ライティングで何割取る必要があるか見てみましょう。
リスニングの得点率が6割くらいの場合はライティングで8割で合格ラインに達します。
そしてリーディングの得点率が5割を割った場合もライティングで9割弱の点数を取れば逆転合格できることが分かります。
2024年度以降に英検を受験される人で、リスニングが苦手な人は、ライティングで26点(要約13点+自由英作文13点)を目標に勉強することをおすすめします。
リスニング 得点率(素点) |
リスニング CSEスコアの目安 |
必要なライティング の得点率 |
60%(17/29) | 590 | 81%(13/16) |
55%(16/29) | 583 | 81%(13/16) |
50%(15/29) | 576 | 81%(13/16) |
45%(13/29) | 563 | 88%(14/16) |
40%(12/29) | 554 | 88%(14/16) |
※リーディングで7割(28/41)を取得できた場合のCSEスコアの平均は598点です。
リーディングもリスニングも失敗した時
リーディングもリスニングも失敗して7割(合格ライン)を下回ってしまった場合についても見てみましょう。
リスニングとリーディングで共に6割の場合は、ライティングで8割を取れれば合格の可能性があります。
一方でリスニングとリーディングが5割を切ってしまった場合でも、ライティングで満点近い点数を取れば合格の可能性が残されています。
これが俗にいう、ライティングで大逆転合格を果たすということです。
R&L 得点率(約9 |
R&L CSEスコアの目安 |
必要なライティング の得点率 |
60% | 583+590 | 81%(13/16) |
55% | 575+583 | 88%(14/16) |
50% | 566+576 | 88%(14/16) |
45% | 555+563 | 94%(15/16) |
40% | 540+554 | 100%(16/16) |
1級の場合
準1級の1次試験合格に必要なCSEスコアは2028点です。この基準に届くには一般的に各技能で7割の得点率が必要であると言われています。
リーディングで失敗した時
リスニングは7割(合格ライン)を獲得できたものの、リーディングで失敗してしまった場合に、ライティングで何割取る必要があるか見てみましょう。
リーディングの得点率が6割くらいの場合はライティングで8割で合格ラインに達します。
そしてリーディングの得点率が5割を割った場合もライティングで8割5分の点数を取れば逆転合格できる可能性があることが分かります。
2024年度以降に英検を受験される人で、リーディングが苦手な人は、ライティングで52点(要約26点+自由英作文26点)を目標に勉強することをおすすめします。
リーディング 得点率(素点) |
リーディング CSEスコアの目安 |
必要なライティング の得点率 |
60%(25/41) | 656 | 81%(26/32) |
55%(23/41) | 647 | 84%(27/32) |
50%(21/41) | 639 | 84%(27/32) |
45%(18/41) | 628 | 88%(28/32) |
40%(16/41) | 620 | 91%(29/32) |
※リスニングで7割(19/27)を取得できた場合のリスニングのCSEスコアの平均は671点です。
リスニングで失敗した時
リーディングは7割(合格ライン)を獲得できたものの、リスニングで失敗してしまった場合に、ライティングで何割取る必要があるか見てみましょう。
リスニングの得点率が6割くらいの場合はライティングで8割5分で合格ラインに達します。
そしてリーディングの得点率が5割を割った場合もライティングで9割弱の点数を取れば逆転合格できることが分かります。
英検1級の場合、リスニングで失敗してしまうと逆転合格が少し難しいことがわかります。
2024年度以降に英検を受験される人で、リスニングが苦手な人は、ライティングで54点(要約27点+自由英作文27点)を目標に勉強することをおすすめします。
リスニング 得点率(素点) |
リスニング CSEスコアの目安 |
必要なライティング の得点率 |
60%(16/27) | 646 | 84%(27/32) |
55%(15/27) | 638 | 84%(27/32) |
50%(14/27) | 630 | 88%(28/32) |
45%(12/27) | 614 | 91%(29/32) |
40%(11/27) | 607 | 91%(29/32) |
※リーディングで7割(28/41)を取得できた場合のCSEスコアの平均は598点です。
リーディングもリスニングも失敗した時
リーディングもリスニングも失敗して合格ライン(7割)を下回った場合についても見てみましょう。
リスニングとリーディングで共に6割の場合は、ライティングで9割を取れれば合格の可能性があります。
一方でリスニングとリーディングが5割を切ってしまった場合でも、ライティングで満点近い点数を取れば合格の可能性が残されています。
しかしながら準1級とは異なり、1級のライティングで30点以上の高得点を取ろうとした場合、模範解答にかなり寄せた内容の作文をしなければならず、通常の対策では達成が難しくなっています。
準1級も1級も合格ラインは7割ですが、1級の方がライティングによる逆転合格が少し厳しくなっていることがわかります。しかしライティングで30点(2024年度からは60点)を超えることが出来れば一気に合格の可能性が出てきます。
R&L 得点率(約) |
R&L CSEスコアの目安 |
必要なライティング の得点率 |
60% | 656+646 | 88%(28/32) |
55% | 647+638 | 91%(29/32) |
50% | 639+630 | 94%(30/32) |
45% | 628+614 | 97%(31/32) |
40% | 620+607 | 97%(31/32) |
ライティングで失敗すれば逆転「不合格」の可能性も
ここまでライティングで高得点を取れば逆転合格の可能性があることを解説しましたが、裏を返せばライティングで大きな失敗をすると逆転「不合格」になってしまうことを示しています。
以前、私が英検準1級を受験した時も、リーディングとリスニングは9割近い得点率を獲得したにも関わらず、ライティングが不調であったため、CSEスコアの評価が「+1」と危うく不合格になりそうになった事がありました。
2024年度以降からライティングの分量は増加しますが、ライティングの出来の良し悪しが、英検1次合格に大きく影響することはこれからも変わらない事実になるでしょう。
英検を受験する人は早々にライティング対策をしよう!
英検を受験すると決めたら、まずライティングに取り組む重要性が理解できたと思います。
2024度からはライティングに「要約」問題が追加されることにより、さらに対策しにくくなることが予想されます。2024年度以降のリニューアル内容については英検公式サイトまたは当ブログの以下の記事をご確認ください。