大人こそ英検の受験をおすすめしたい理由とは?おすすめの受験級の決め方と学習方法も解説!【徹底解説】

英検は学生だけの試験ではありません

英検は中学生や高校生が受験のために受ける学生向けの試験だと思われがちですが、実は大人の方も多く受験されています。

就職面では、英検1級を持っていたとしても大きく有利になることはありませんが、英検の受験には就職だけではない大きなメリットがあります。

それは英検に向けた学習を通して「実際に使える英語力」を鍛えることができることです。

英検を通して英語力を向上させることで、試験対策としての英語だけではなく、仕事の実務や外国人との会話にも対応できる英語力を身に着けることが出来るようになるのです。

特に将来英語を実際に話せるようになりたい人にはおすすめしたい資格です。

英検受験最大のメリット:英検は実際に使える英語力を鍛えられる

英検の最大のメリットは先ほど説明した通り、日本人に馴染がある勉強法で、実際に使える英語力を鍛えられることにあります。

英検は日常生活で使う英語からビジネスやアカデミックで使う英語まで広範囲な内容を取り扱います。

そのためTOEICよりも対応できる話題が広いと言えるでしょう。特に上位級ではビジネスシーン以外のスモールトーク(最近のニュース、自分の趣味など)にも対応できる英語力を身に着けるチャンスがあります。

英検はTOEICより実際に英語を使う場面を想定した試験とも言えます。つまり英検合格を目標として英語学習をすることで、自ずと英語を使える人や英語を話せる人に近づくことができるのです。

英検を受験するその他のメリット5選

メリット① 英検は受験料が比較的安い。

英検は4技能を測定する英語試験としては、他の資格と比べて手頃な価格となっています。最近の値上げにより1級・準1級では受験料が1万円を超えるなどお財布に痛い試験になりつつありますが、それでもTOEIC(※SW含む)やTOEFLなどと比較すれば受験料は安くなっています。

試験名 受験料(2024年度予定) 備考
英検(準1級) 10,500円 2級は9,100円、1級は12,500円
国連英検(B級) 8,800円 A級は11,000円、特A級は13,200円
TOEIC L&R 7,810円 再受験割引などあり
TOEIC S&W 10,450円  
TOEFL  245ドル(約38,000円) 試験7日前以降は285$
IELT 27500円 IDPテストセンター受験の場合

※2024年度時点でのデータです。最新の情報については各試験の公式サイトをご確認ください。

メリット② 資格が一生涯有効である。

英検には資格の有効期間がありません(大学入試利用など除く)。そのため基本的には一度取得した資格は生涯有効です。

また全国通訳案内士試験(英語)を受験される方は、英検1級により1次試験の英語科目が永続的に免除になることも大きなメリットです(TOEICによる免除は1年間のみ)。

ただし1級合格者を中心に自分の英語力がキープできているか確かめるため、合格後も複数回受験する人も少なくありません。

メリット③ 初心者やブランクがある人も気軽に受験できる。

英検は小学生や初学者向けの5級から上級者向けの1級まで幅広い難易度設定があるため、ネイティブレベル(CEFR C2レベル)を除くどのレベルの受験者でも自分に合った難易度の試験を受験できます。

例えばTOEICの場合、初心者では問題の半分以上が理解できないケースも少なくありません。また中級者以上であっても塗り絵せずにリーディングテストの問題を全て解くことは容易ではありません。

一方英検では自分のレベルにあった級を受験できるので、全然歯が立たなかったということは少ないと思われます。

メリット④ アカデミックや洋書・英字新聞で使う語彙を学べる(1級/準1級)。

英検の上位級(準1級/1級)では、TOEICではほとんど出題されないアカデミックな語彙を覚える必要があります。一見英会話では使いそうにない単語も含まれていますが、実は洋書や英字新聞を読むと、頻繁に登場することが分かります。

また教養あるネイティブスピーカーの間では、英会話でも普通に使われることもあります。

英検を通して語彙力を増強することで、勉強する前よりも英文を読む速度を上げたり、ネイティブスピーカーと自信をもって話したりできるのです。

メリット⑤ 突然のプレゼンテーションやスピーチに対応できる(1級)。

英検1級の2次試験に向けて勉強することで、仕事でのプレゼンテーションやスピーチにも動じない度胸を身に着けることができます。

TOEICL&R900点以上をお持ちの方であっても、仕事やプライベートで突然プレゼンテーションやスピーチをするように頼まれると内心ドキドキしてしまう方も少なくないでしょう。

英検1級では2次試験で、2分間のスピーチと数分間にわたるスピーチに関するQ&Aを乗り越えなればなりません。2次試験対策の中で培われた、スピーチ力や対話力は英検以外の場所でも役に立つこと間違いありません

英検の受験を特におすすめしたい方

ここまで英検受験のメリットについて述べてきましたが、特に英検の受験をおすすめしたい人は次の通りです。

  • いつか英語をきちんと話せるようになりたい人
  • 英語力と共に教養や時事の知識も欲しい人
  • TOEICの問題を解くのが大変に感じる人
  • 語彙力を鍛えて英字新聞や英文雑誌を読めるようになりたい人

どの級から受験するべきか

ここまで英検を受験するメリットを説明しましたが、このブログを読まれている方の中には、どの級から受験するか迷う人もいるはずです。

おすすめの受験級を決める上で一番良い方法は「各級の過去問を解いてみて半分くらい正解できそうな級に挑戦すること」ですが、過去問をすべてチェックすることが大変な方もいると思いますので、そのような方のために次で簡単な受験級診断コーナーを用意しました。

また数十年前に英検2級に合格したという方でも、正直言ってすぐに準1級を受験することをおススメできない人もいます。

その理由は、大きなブランクにより英語力が低下していたり、ライティングの問題に対応するために準備が必要だったりするからです。

迷ったら2級か準1級の受験がおすすめ

英語の基礎能力に不安がある人や帰国子女ですでに英語が流暢に話せる人を除いて、迷ったら2級か準1級の受験をおすすめします

2級は高校卒業レベルの英語力があることを証明する級であり、社会人が履歴書に書いても問題ない級です。またTOEICや英語学習のレベルアップする際の足掛かりとなる級でもあります。

準1級はすでに2級を持っている人や簡単な日常会話から脱出して社会的な話題についても英語で理解できるようになりたい方におすすめです。英語圏に留学や海外滞在の予定がある人は、現地での生活にスムーズに適応するために、準1級は必須となる級です。

次の質問に答えておすすめの受験級を確認しましょう!

ここまで記事を読んでも受験級を選ぶのに迷う場合は、以下の単語力編文法・英作文編の2つの質問に答えておおよその受験級を確認してみましょう。

単語力編

以下の表にある英単語(各級5個ずつ)を確認して何個知っているかチェックしましょう。

受験級 英単語・英熟語の例
5級 ask river old her August
4級 ticket pay sleepy another wait
3級 invite empty hobby among wallet
準2級 region eventually run over fever export
2級 grief fundamental instinct at the mercy polish
準1級 equivocal daunt pull on corrosion numb
1級 debacle belt out pedagogy admonish disheveled

 

診断結果(単語力編)
0個:当該の級の語彙が不足しています。もう少し易しい級も確認してみましょう。
1~2個:時間をかけて単語帳やアプリで受験する級の語彙を強化しましょう。
3~4個:数か月程度あれば大問1で合格点が取れるはずです。ぜひ過去問も確認しましょう。
5個:当該の級の語彙はほぼ完璧です。さらに上の級も確認してみましょう。

文法・英作文編

以下の10個の質問の内いくつ当てはまるかチェックしましょう。

  • ”They play the guiter”を現在進行形に直すことができる。
  • 自分の一番好きな季節について30語程度の簡単な英文で説明することができる。
  • 「トムはケンより3cm背が高い」を英文に直すことができる。
  • 他の教科より英語を優先して勉強すべきかについて50語程度の英文で意見を書くことができる。
  • 「私は数学を勉強すべきだった」を英文に直すことができる。
  • 部活動への強制加入の是非について80語程度の英文で意見を書くことができる。
  • ifを使わない仮定法の例を3つ以上挙げることができる。
  • 日本への観光客の受け入れの制限について150語程度の英文で意見を書くことができる。
  • moreoverやprovidingなどの少し堅い表現の接続詞を使うことができる。
  • 外国企業の参入による日本経済の活性化について220語程度の英文で意見を書くことができる。
診断結果(文法・英作文編)
0個:中学レベルの英文法をもう一度復習しましょう。
1~2個:「3級」をおすすめします。まずは1行や2行の英作文を書くことに慣れましょう。
3~4個:「準2級」をおすすめします。高校レベルの文法を学習しましょう。
5~6個:「2級」をおすすめします。英作文に必要な接続詞や高校レベルの語彙を復習しましょう。
7~8個:「準1級」をおすすめします。英作文を書くための基礎能力があります。
9~10個:「1級」に挑戦する基礎能力があります。語彙やリスニング能力があれば合格は近いです。

英検を受験するにはどんな準備が必要か解説

ここからは英検受験に必要な準備勉強法について解説します。

英検に向けた勉強法については個人差が大きいため、一概に説明することが出来ませんが、英検合格に必要な勉強として以下の内容があります。

  • 英作文
  • 単語・句動詞・イディオムの学習
  • リスニング
  • 長文読解
  • 面接対策

英検を受験すると決めたらまず過去問と参考書を揃えよう

英検を受験すると決めたならば、まず初めに過去問題集・参考書・単語帳の3点セットを購入することをおすすめします。

過去問は過去1年分(3回分)であれば公式ホームページから確認できますが、それより昔の過去問は書籍で購入する必要があります。もし英検本番まで期間のある方や数年後に受験する予定の級があればあらかじめダウンロードだけでもしておくことをおすすめします。

参考書は旺文社から出版されているものが有名ですが、近年ではジャパンタイムズ社など他社からも多数発売されています。

英検合格に向けた学習スケジュールと具体的な学習方法とは?

英検の合格にどのくらいの時間が必要かについては受験級や受験者の英語力により異なります

易しい級もしくは才能ある学生や集中して学習できる人であれば、数か月で次の級に合格できますが、十分な学習時間が取れない人や大きな苦手分野がある人は年単位で学習する必要がある場合もあります。

特に受験する級と自分の実力に乖離がある場合は、英検対策以外に基礎的な英語学習が必要になるケースもあります。

ここでは英検2級にギリギリ合格した方が準1級を受験するための標準的なスケジュールの例について記載します。(※一刻でも早く合格したい人向けではありません。)

こちらのスケジュールに基づき、英検の学習方法についてもう少し詳しく説明します。

①過去問の確認

英検の勉強に取り組む前にまず過去問の確認を行いましょう。今解いても全く意味がないのではと思う人もいるかもしれませんが、どのような問題が出題されるのか、本番のレベルと自分の実力との距離がどの程度あるのか確認する意味で必要不可欠です。

②英単語の暗記

英検を受験すると決めたら英単語の学習から行いましょう。英単語の暗記は単語帳かアプリを使います。単語帳なら旺文社の出る順パス単(2級まで)、ジャパンタイムズ社の英熟語EX(準1級以上)がおすすめです。アプリを使いたい人は「出た単」(5級から1級まで級別)を使いましょう。

特に「出た単」は1990年代以降の英検の過去問で出た単語をまとめた非常に強力なツールであり、このアプリの単語をすべて暗記することでほぼ満点を取れるようになっております。

「①過去問の確認」において大問1(語彙問題)で安定して8割以上得点できる方は英単語の暗記は後回しにして英作文などの対策を行ってください。

大学受験やTOEIC対策も平行したい人は英検用の単語帳・アプリ以外に以下の単語帳がおすすめです。

受験級 おすすめしたい単語帳の例(英検対策本以外)
1級 究極の英単語帳Vol.4・PINNACLE・英英英単語 超上級編
準1級 究極の英単語帳Vol.3・難関大用単語帳(速単上級など) ・TOEIC金のフレーズ
2級 大学受験用単語帳(ターゲット1900/シス単など)・DUO3.0
準2級 高校基礎用単語帳(ターゲット1400/シス単ベーシックなど)・TOEIC銀のフレーズ
3級 高校受験用単語帳

③英作文の練習

英検の合否は実は英作文(ライティング)で左右されると言われています。英作文が苦手な人は大学受験用の本で英作文の基礎力を鍛えましょう。

ただし英文の要約問題を練習できる本は非常に少ないのが現状です。2級・準1級であればTEAPのライティング問題が有効活用できるかもしれません。

英作文対策でおすすめの本としてジャパンタイムズ社の英作文問題完全制覇や旺文社の分野別ターゲット問題集英作文などがあります。

※ライティングについては2024年度より「要約」問題が追加されるため、それに合わせて新しく英作文対策本が発売される可能性があります。

④英作文対策

英作文の基礎力を身に着けたら、英検で出題される英作文を解いてみましょう。英検の自由英作文はある程文書の構成が決まっており、結論(賛成か反対か)→理由(準1級であれば2つ)→結論(初めとは違う語彙で)という流れになっています。

⑤分野別問題集

苦手な分野や得点源にしたい分野がある人は分野別問題集に取り組みましょう。旺文社から語彙・リスニング・英作文などの対策本が発売されています。

⑥過去問演習

分野別の対策ができた人や受験2~3か月前になった人は必ず過去問に取り組みましょう。過去問で合格点に遠く及ばない苦手分野がある場合は引き続きその部分を強化していきましょう。

ここからは英語力対策も兼ねた勉強方法について紹介します。

⑦長文読解

英検でも長文読解は出題されますが、大学入試や共通テストと比較して出題内容はとても素直です。きちんと内容が理解できていれば容易に正答することができます。

もし長文読解で苦労する場合は、英検の長文問題以外に大学入試用の問題集などで練習しましょう。

受験級 長文読解におすすめしたい本の例(英検対策本以外)
1級 英文雑誌(Time/Foreign Affairなど)・簡単な洋書
準1級 難関私大用問題集(関正生のThe Rules英語長文問題集3/4など)
2級 中堅私大用問題集(英語長文ポラリス1など)・共通テスト問題集
準2級 高校基礎用問題集(全レベル問題集1など)
3級 高校受験用問題集

⑧リスニング

リスニングはすぐに鍛えることが難しいため、日ごろの練習が欠かせません。英検本番まで時間がある人は下記の本の例を参考にして、英検対策本以外のリスニング練習にも取り組みましょう。

受験級 リスニングにおすすめしたい本の例(英検対策本以外)
1級 CNN English Express・English Journal
準1級 ニュースで学ぶ「現代英語」・TOEIC用問題集
2級 ラジオ英会話・共通テスト用問題集
準2級 英会話タイムトライアル
3級 中学生の基礎英語・高校受験用問題集(近道問題リスニングなど)

⑨オンライン英会話

2次試験の面接に向けてある程度スピーキング力も鍛えておくことをおすすめします。特に2024年度より日程が変更となり21歳以上の受験者は準備期間が短くなってしまうため、早めの対策が肝心です。

日常のスピーキング力の強化にはフィリピン人講師を利用し、英検の面接対策をしたい時だけ日本人講師を利用するのも有効です(日本人講師の指名には追加料金が必要な場合が多い)。

最後に面接対策について解説します。

⑩面接対策

英検の面接対策は一人で行うのが難しいため、先生や練習相手を探す必要があります。

英会話学校などに通われている方であれば問題なく練習できるかもしれませんが、独学の方は単発の面接練習への参加や、オンライン英会話で日本人講師との練習がお勧めです。

費用をあまり掛けたくない方は、ココナラなどのクラウドサービスを利用する他、X(旧Twitter)やLINEのオープンチャットで練習相手を探す方法もあります。

まとめ

今回は大人こそ英検を受験すべきする理由および英検対策の概要について説明しました。実際にはTOEICと英検を平行して受験する人も多いと思います。

大人の英語学習の目標としてTOEICを利用する人が多いですが、比較的お手頃な受験料で幅広い英語力を強化できるチャンスを得られる英検の受験も考えてみてはいかがでしょうか。

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