【準2級プラス】31年ぶりに英検に新しい級が登場!批判殺到でも私が新設級は必要だと思う理由

安河内先生が衝撃のツイート

2023年9月、英語教育業界の大御所である安河内先生が「英検2級と準2級の間に級が新設される」という旨の衝撃のツイートをしました。この投稿は英検の公式発表前であったことから、多くの英語学習者が衝撃を受けていました。

ツイートの翌日には英検協会から2025年度から新しい級が登場することが正式に公表されました。

2024年2月1日 新しい級の名称が発表

新しい級の名前が「準2級プラス」に決定しました。英検協会によれば学習モチベーションを上げてほしいということから「プラス」というポジティブな名称をつけたそうです。

また汎用的な名称にしたことにより、今後別の新設級「例:2級プラス」を設定する可能性があることが示唆されています。

新設級の概要

英検協会の発表によれば、「準2級プラス」は2級と準2級の間のレベルになるように細かい調整が行われています。

例えば、長文や設問の表現の認知的負荷について、準2級よりは負荷を重くするが、2級よりは負荷が軽くなるように設定されます。

新設級の目的と主な批判

新設級導入の目的

英検協会の見解によれば、新しい級を設ける目的として、英検2級と準2級の間には平均1年6か月分の学習期間が必要であり、これを負担に感じる高校生が多くいることが調査で明らかになったからと理由づけています。

そこで新たに「準2級プラス」を新設することで、準2級と2級の橋渡しをし、2級合格に向けた足掛かりを提供するとのことです。

英語が苦手な人にとっては2級は一つの大きな壁となっています。英語講師のもりてつ先生いわく、1次試験を突破しても2次試験で躓いてしまう人も意外と多いそうです。(2級の2次試験合格率は準1級より低いとされている。)

新設級に対する主な批判

しかしながらYoutubeやX(旧Twitter)によるコメントによれば、新設級の発表に対して好意的な意見は少なく、どちらかというと批判的な声が多いの実情です。ここでは新設級に対する主な批判について紹介します。

批判① レベルを細かく分けても意味がないのでは?

英検2級と準2級の難易度の差は、1級や準1級との差と比較して小さいのに、どうしてわざわざ新設級を作るのか疑問に思う人が多くいます。

どうせ新設級を設定するなら準1級と2級の間にしてほしいとツッコミを入れる人もいることでしょう。

級別の受験者数が発表されていた2013年時点では、準1級の受験者は2級の4分の1以下と非常に少ないことを示すデータがあるため、おそらく採算の都合上2級と準2級の間になったとも考えられます。

批判② 英検協会がお金儲けをしたいだけでは?

新設級を設定することで、英検協会が学生から受験料を巻き上げようとしているのではないかと疑う意見も多く挙げられています。

確かに英検の受験料は年々上昇の一途を辿っており、経済的に負担になっている家庭があるのも事実です。そこに新しい級が登場すれば、英検協会もいよいよ金儲けまっしぐらだと言いたい気持ちも理解できます。

批判③ 新しい級を作っている暇があれば、別の事を改善してほしい

試験会場の設営が高校生のバイト頼りであったりと、英検協会の試験運営体制はお世辞にも賞賛されるものではありません。また近年では合格率や受験者数などの情報も非公開であり、試験の透明性についても疑問を抱かざる負えません。

そのような状況の中、新しい級を準備するよりも先に改善すべき点があるのではないかと考えるのは自然なことでしょう。

それでも私が新しい級を歓迎したいと思う3つの理由

ここまで英検の新設級に関する主な批判について紹介しましたが、私個人としては英検の新しい級には学生や学習者にとって大きなメリットがあると感じています。

理由① 学習者にとって身近な目標がほしいから

英語がある程度得意な人にとっては試験以外にも英語を勉強する意義を感じることは難しくないでしょう。

大学や職場で外国人と英会話をしたり洋書を読んだりすれば日常的に英語力を駆使できます。また周りの人から褒められることも多いので、毎日気分も良いはずです。

一方高校生や英語初学者の中には「試験に受かる事」を勉強のモチベーションにしている人も少なくありません。

英語は好きじゃないけど、試験に受かれば親や友達が褒めてくれるからと、歯を食いしばって勉強している場合もあるのです。

スイミングプールや空手に細かく級が設定されているのも、子どもたちのモチベーションの維持を目的としています。数か月後に試験があるから頑張ろうという人も多くいるのです。

理由② 初学者には英検以外に受けられる試験が少ないから

初学者にとって英検以外に気軽に受験できる英語資格は案外少ないのが現状です。

例えば英検準2級レベル以下の受験者にとってTOEICは非常に難しく辛く感じる内容に違いありません。リスニングは速すぎてついていけず、リーディングは最後まで長文を読むことは到底できません。

TOEFLやIELTSは説明するまでもないでしょう。

つまり英検以外の英語資格は、最低でも英検2級相当の実力を持っている前提で作成されていることが多いため、初学者にとっては受けることができる試験が大きく限られるのです。

確かに英検の各級の難易度の差で言えば、1級と準1級が最も開いていますが、逆に言えば英検1級を受験するような人は合間にTOEICやTOEFLを受験するという選択肢を持っているとも言えます。

理由③ 高校2年生の中だるみを防ぐことが出来るから

全員とは言いませんが、全国の多くの高校生にとって、高校2年生は中だるみしやすい時期と言えるでしょう。部活や文化祭では中心的な立場にある一方、受験学年ではないため勉学には気を抜きがちな生徒が多いはずです。

私自身も高校2年生の時は最低限学校の課題はこなすものの、受験も先ということで真剣に勉強に励んでおらず、中だるみ全盛期でありました。

高校2年生が新しい級を身近な目標として英語学習に励むことで、中だるみ防止の役割を果たすことでしょう。準2級プラスは平均的な高校2年生のレベルにスポットを当てた内容であるため、まさに中だるみ防止に最適な試験です。

まとめ

英語が得意な人やあまり英検に興味がない人にとって、新しい級は余計なお世話に思えなくもありません。しかしながらよく考えてみると「準2級プラス」は高校生の学習意欲を維持するのに加え、日本人全体の英語力を底上げする可能性がある級であると言えます。

「準2級プラス」が果たして本当に英語学習のモチベーションアッププラスになるか、今後の動向が気になるところです。

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