洋書に初めて挑戦する時に「小説」を読むべきではない理由とは?逆におすすめしたいジャンルも紹介!

洋書に挑戦したいけど、途中で挫折しないか心配になる人やそもそもどの本から読めばよいか分からない人も多いのではないでしょうか。

そのような時「小説」から読み始めるのは絶対おススメできません。

なぜなら話の内容が理解できず途中で挫折して、ついには洋書が嫌いになってしまう可能性が高いからです。

当記事では洋書に初めて挑戦する人が「小説」にチャレンジするのをおすすめしない理由と逆におすすめしたいジャンルについて紹介します。

英語で小説を読むのが難しい理由

英語で小説を読むのが難しい理由として主に次の4つがあります。

【小説が難しい理由】

  • 小説は話の展開が読めないから
  • 小説は回りくどい表現が多いから
  • 海外の文化の知識不足を感じるから
  • 参考になる情報を得にくいから

理由① 小説は話の展開が読めないから

小説は話の展開が予想できず、最後に思いもよらないどんでん返しが起こることがあります。また、さりげない表現が思わぬ伏線になっていることも少なくありません。

日本語の小説であれば一気に本を読み進めることが出来るので話の展開も味わうことが出来ますが、読む速度が亀のように遅くなりがちな洋書では話の展開を理解する前に挫折してしまうことも起きやすいでしょう。

理由② 小説は回りくどい表現が多いから

小説では読者の感情を動かしたり情景を呼び起こさせたりするために、様々な表現技法が用いられることはご存じの通りです。天気の様子を描写することで登場人物の感情を暗喩したり、倒置を用いることである単語を強調させたりすることはよくあることです。

これは洋書でも同じです。ただでさえ知らない単語や文法が沢山あるのに、英語で回りくどい表現を理解できるはずがありません。

理由③ 海外の文化の知識不足を感じるから

小説には対象となる国の読者しか理解しにくい固有名詞や言い回しが登場するケースがあります。例えばアメリカ人ならだれでも知っている人物やお菓子のブランドでも、日本ではほとんど知名度がないケースもあります。

このような固有名詞や言い回しをインターネットで調べることはできますが、たとえ意味が分かった所で、現地に行ったことがない人にとっては感情面で共感することは難しいでしょう。

私自身も小説を読んでいる中でアメリカやイギリス文化への知識不足を痛感することが多く、一種の疎外感さえ感じる時もありました。

理由④ 参考になる情報が得られにくいから

小説はネタバレを防ぐために話の起承転結を事細かく口コミサイトや書評にアップする人などほとんどいません。そのため途中で話についていけなくなったとしても、日本語版の翻訳書を買い直すことでもしないと内容を理解できなくなる可能性が高いでしょう。

洋書デビューは伝記とビジネス書がおすすめ!

これまで「小説」をおすすめしない理由について説明しましたが、逆に洋書デビューにおすすめしたいジャンルは「伝記」「ビジネス書」です。

伝記やビジネス書も小説と同じくらい読むのが難しいのではないかと考える人も多いと思いますが、実はそんなことはありません。理由については次の通りです。

【伝記やビジネス書をおすすめしたい理由】

  • 背景知識の予習が容易だから
  • 内容を推測しやすいから
  • 本の内容が世界共通だから

理由① 背景知識の予習が容易だから

伝記とビジネス書を読むべき一番の理由は、洋書を読む前に背景知識を予習することで、途中で挫折する確率を下げることができることです。

実際の人物の伝記であればあらかじめその人の経歴を調べることが出来ますし、著名なビジネス書であれば、Youtubeやブログで本の要約を確認することが可能です。

また小説と異なりネタバレも気になりにくいので、気兼ねなく予習することができます。

理由② 内容を推測しやすいから

伝記やビジネス書が読みやすいもう一つの理由は、読む前や最初の方のページから内容をある程度推測できることにあります。

伝記は取り上げている人物についてある程度知っていることが多いため、その人物の生い立ちや苦労を理解しやすいです。

例えばライト兄弟は世界初の有人飛行を成功させた人物であることはほぼ全員知っていることから、本を読む前から彼らの伝記には成功に至るまでの苦労が書かれていることが推測できるでしょう。

ビジネス書では結論が最初に述べられることが多いため、読者が最初のページから著者の主張したい内容を何となく予想することができるのです。

つまり洋書を読むときでも、内容を予想しながら読み進めることができるので、小説より理解が容易であることは言うまでもないでしょう。

理由③ 本の内容が世界共通であるだから

伝記やビジネス書の内容は全世界の人が理解できるように書かれていることが多いです。なぜなら世界的に有名な偉人の話、ビジネスや人間関係の法則、人生に役立つヒントなどは、文化こそ違えど世界共通の部分が多く見られるからです。

そのため小説と異なり、舞台となる国や地域の文化を熟知していなくても、本の内容を理解しやすいでしょう。

初心者向けの洋書の楽しみ方

洋書を読み始める時には、事前の復習が重要です。あらかじめ内容をある程度把握することで、分からない英単語や表現に出会ったとしても、読み飛ばしたり大体の言いたい事を掴んだりできるでしょう。

Wikipediaや書評で概要を確認する

有名なビジネス書の洋書は、すでに日本語に翻訳されていることが多く、書評や概要をまとめたサイトも数多く存在します。また伝記であればその人物についてWikipediaで調べれば、彼らの生い立ちや功績について把握することが出来るはずです。

本屋さんで日本語版を立ち読みする

薄い文庫本であれば数十分で読み終えることが出来る人も多いと思います。洋書を読み始める前に日本語版で軽く内容を把握することもおすすめです。

おすすめの伝記とビジネス書を紹介

ここまで伝記とビジネス書がおすすめであることを述べてきましたが、次に洋書デビューにおすすめしたい伝記のシリーズとビジネス書を紹介します。

伝記(初心者~中級者向け/~英検2級)

Who was シリーズ

Who was シリーズとはネイティブの小中学生向けの伝記シリーズです。ライト兄弟やアインシュタイン、ウォルトディズニーなどの歴史上の偉人たちの人生を興味深く紹介しています。

Who wasシリーズは200冊以上が発売されており、偉人だけではなくスポーツ選手の他、任天堂やハローキティを紹介する本まであるから驚きです。

語数は5000~11000語と洋書にしてはとても短く、挿絵や図表も入っているので英語初心者の方でも挫折することなく最後まで読める内容になっています。

ちなみに私が通っていた大学の英語の授業で洋書の多読をさせられていた学生の中には、どの様にとは言えませんが、Who wasシリーズで必要な語数を稼ぎまくる人が多くいました。

ビジネス書(中上級者向け/英検準1級~)

ビジネス書を読む場合もできるだけ有名な本から始めた方が良いです。マイナーなビジネス書の場合、書評が少ない場合やそもそも日本語訳が発売されていない場合があり、内容が理解できないとき困ってしまう可能性があります。

全世界的にベストセラーになっており、かつある程度読みやすいビジネス書として「Factfulness」や「Atomic Habits」がおすすめです。

Factfulness ファクトフルネス

漠然と世の中の状況は悪化していると考えている人の常識を変えてくれる一冊です。

我々は多発する戦争、縮まらない貧富の格差を映したニュースを見て、この世界は悪化の一途を辿っているのではないかと考えがちですが、そのようなイメージは誤解であると著者はハッキリと断言しています。

図表や写真なども用いられており、英語も比較的平易であるため、英検準1級~1級レベルのリーディング力があれば読むことができるでしょう。

レベル:英検準1級/YL 6.0/81,054 words

Atomic Habits 複利で伸びる一つの習慣

「英語を勉強する」「ダイエットに成功する」などの習慣がなかなか継続できない人に、具体的かつ論理的に習慣化を進める方法を解説している本です。

毎日のわずかな改善が、長期的に見れば大きな変化に結びつくことをつくづく実感されられます。レビューでは実際に筋トレや勉強が続くようになったと語る人も多数います。

レベル:英検準1級~1級/YL6.5/103,000 words

どうしても小説を読みたい人は…

ここまで伝記やビジネス書から読むことをおすすめする理由について説明しましたが、中には小説が大好きな人や上記のようなノンフィクションのジャンルにはあまり興味がない人もいることでしょう。

そのような方はできるだけ英語を理解する負担が少ない本を読むことをおすすめします。例えば英検準1級レベルのノンフィクション本が読める人であれば、英検2級レベルの小説に挑戦するなど、あえて難易度を少し下げた本を選ぶ方がよいでしょう。

おすすめしたい小説の選び方は次の通りです。

ラダーシリーズ・Enjoy Simple Englishから始める

やはりラダーシリーズ(語彙制限本)やNHKラジオのEnjoy Simple Englishを読むことが、英語初心者にとって一番気軽に英語で小説を楽しむ方法です。

小説の面白さはそのままに読みやすい表現に置き換えられているため、挫折せずに最後まで読める可能性が高いでしょう。

児童書から挑戦する

ネイティブの小中学生向けに書かれた児童書の中にも比較的読みやすい本が多くあります。有名な本として「Wonder」や「Holes」があります。

英語の表現が平易かつ複雑なストーリー展開はないので、話の流れを掴むことができるでしょう。

ただし分量はそれなりにあるため、英検2級~準1級相当のリーディング力は必要になります。

レベル:英検2級~準1級/YL5.5/88,515 words

日本の小説の英訳版を読む

日本の小説の英訳版を読むことも非常におすすめです。文章こそ英語ですが、登場する人物や地名が日本のものであれば比較的理解がしやすいです。

個人的におすすめしたい本は有川浩の「旅猫リポート」の英訳版「The Travelling Cat Chronicles」です。

野良猫だった猫「ナナ」の視点から、飼い主であるサトルの人生や彼の親族や友人との関わりが描写されています。特に後半の場面にとある事情でサトルが新しい飼い主を探しにいくための旅程はとても儚い一方、どこか人間の暖かみを感じることでしょう。

こちらの本も英検準1級レベルのリーディング力があれば十分最後まで読むことが出来るはずです。

レベル:英検準1級/YL6.0/語数不明

自分が読んだことある本や映画に限定する

海外作品において、もし過去に自分が読んだことがある本や映画の中で、印象に残っているものや内容を十分覚えているものがあれば、その原著や英訳版に挑戦することもおすすめです。

内容を覚えているので、初めて読む作品にあるストーリー展開の期待感や読後の満足感は得られにくかもしれませんが、英語でどのように表現されているのか改めて知ることは新たな学びになるはずです。

また原著であれば、翻訳者を介することなく作者の言葉をそのまま受け取ることが出来る満足感に浸ることができるかもしれません。

まとめ

今回は洋書初心者に向けて「小説」をおすすめしない理由、逆に「伝記」や「ビジネス書」をおすすめしたい理由、そしてどうしても小説を読みたい人に向けたアドバイスについて解説しました。

洋書は普通の本より値段が高く、一度読むとすぐに読了できるものでもありません。出来る限り自分の英語レベルや興味関心にあった洋書を選んで、楽しい洋書読書ライフを送りましょう。

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