「受験英語で英語は話せない」と感じる理由 ―その真実と解決策を徹底解説!

「英語は得意だったはずなのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない。」
大学入試の長文はスラスラ読めても、英会話になると沈黙してしまう──。
そのような経験から受験英語を極めても「英語は話せない」と批判する人も少なくないと思います。

実はそれ、半分は誤解で、半分は使い方の問題です。

この記事では、受験英語の知識を「会話で生かす」ための考え方と、
実際にどのように変換すれば自然に話せるようになるかを、会話例付きで詳しく解説します。

受験英語で英語は話せないと感じる理由

受験英語で「英語は話せない」と感じるのには複数の要因があります。

なぜ“話せない”と感じるのか?心理的・教育的な要因

要因① そもそも勉強時間が少ない

日本の中学・高校での英語の授業時間は1000時間前後とされています。一方英語を使って自由に話すためには2000時間以上必要と言われています。

つまり学校の勉強だけでは「話すための練習時間」としてはまだ十分とはいえないのが現実です。

注1)英語の授業時間は文部科学省学習指導要領より小学校から高校までのモデル授業時間数の合計から算出した。
注2)各レベルの必要勉強時間はCambridge English「Learning Hours Needed」、日本英語検定協会「CEFR対応表」などを参照した。

要因② ミスを受け入れない態度

日本では他人の英語に対してとにかく厳しい態度をとる人が多いと言われています。

ネット上でもちょっとした英語のミスに対して厳しく指摘したり、人の英語力をジャッジするような言動が見られます。

みんながミスを恐れるような環境では、楽しくアウトプットすることは難しいでしょう。

要因③ 4技能を身に着ける難しさ

勉強時間の少なさと繋がりますが、学校の授業だけで4技能を身に着けることは非常に困難です。

大学受験に向けたリーディング中心の勉強の場合、試験に必要な文法や語彙を覚えるのに精一杯で英会話まで手が回りません。

逆にスピーキング中心の場合、何となく話せるけどブロークンな英語から上達しないと悩む人も少なくないのが現状です。

教師側も4技能を自信をもって教えられる人はあまり多くありません。

“話せない”=“無駄”ではない

ここまで受験英語で英語が話せない要因について説明しましたが、私が伝えたいのは「”話せない”=”無駄だ” “役に立たない”」ではないことです。

もしすでに高校レベルの単語を覚えており英文をある程度読めるのであれば、あと少しの努力である程度英会話ができるようになることでしょう。

フランス語や中国語を一から勉強することを考えれば、すでに話すための準備は整っていると言っても過言ではありません。

役に立たない場面もある…

一方で学校や大学受験のために勉強した内容があまり役に立たない場面があるのも事実です。

様々な場面で英語を話すためには、場面に応じた表現を覚える必要が出てきます。

ここからは受験英語が英会話の役に立ちにくい場面と逆に役に立つ場面について実際の会話例付きで解説します。

😢受験英語があまり役立たない場面

受験英語が役に立ちにくい場面として以下のような場面があります。

① 買い物・レストランなどの定型的な会話

ショッピングモールやレストランなどで使う定型的な会話は、場面別に決まった表現を覚えれば大体の用事を済ますことができます。

お客さん
お客さん

Hi, can I have a cheeseburger and fries?

(チーズバーガーとフライドポテトいただけますか?)

店員
店員

Sure. Do you want a drink with that?

(かしこまりました。一緒にドリンクはいかがでしょうか?)

お客さん
お客さん

Just water, please.

(水だけで大丈夫です。)

② 感情やユーモアが中心の会話

“感情共有”が目的の会話では文法よりテンポと雰囲気が重要です。No way!That’s awesome! などのリアクションでよく使う表現を覚えておきましょう。

Guess what? I passed the test!

(ねぇ聞いて!テスト合格したんだ!)

No way! That’s awesome!
(うそでしょ!? すごいじゃん!)

Yeah, I’m so happy right now.
(ほんとに今めっちゃうれしい!)

③ ティーン同士のノリの会話

若者同士のスラングが多用される会話では受験英語のフォーマル語彙は雰囲気に合いません。そもそも英語学習者にとっては聞き取ることすら難しいと思います。

ショーン
ショーン

Dude, did you see that video last night?

(なあ、昨日のあの動画見た?)

マイク
マイク

Bro, it was hilarious! I couldn’t stop laughing.

(マジ爆笑したわ!笑い止まんなかった。)

ショーン
ショーン

Same! That guy totally lost it at the end.
(だよな!最後の方であの人完全にぶっ壊れてたよな。)

マイク
マイク

Yeah, that was wild. I gotta send it to Jake.
(マジやばかった。ジェイクにも送っとこ。)

💡受験英語が役立つ場面とは?

逆にこれまでの努力が報われやすい場面も数多くあります。大人同士の会話や仕事や学業での英会話であれば役に立つ場面の方が多いと言えるでしょう。

① ニュースや社会問題の話題

大学受験で培った文法や単語が最も役に立つ場面です。教養ある人同士の会話では避けられない話題ですのでまさに英語を勉強する人が最優先で取り組むべきで話題となります。

おばさん
おばさん

Did you see the debate on climate change last night?

(昨晩気候変動についてのディベート見た?)

同僚
同僚

Yeah, the speaker emphasized the urgent need to implement stricter policies.

(もちろんさ、スピーカーはもっと厳しい政策をすぐに実施する必要があるって強調してたよ。)

おばさん
おばさん

True. Without immediate action, the consequences could be irreversible.

(本当ね。早急な行動がなければ、取り返しのつかない結果になりかねないわ)

ニュースや社会問題の話題ではemphasizeimplmentのような高校レベルの単語や「without~,仮定法」のような少し難しい文法が登場します。

② 学術・ビジネスの議論

仕事や学業で使う英語も受験英語が土台になる分野です。「受験英語+自分の専門分野の単語」で十分対応できます。

会社員
会社員

I’ve been reviewing the results from last quarter, and it’s clear that our sales strategy didn’t align well with the market trend.

(この前の四半期の結果を見直してたんだけど、どうもウチの販売戦略が市場の流れとうまく合ってなかったみたいだね。)

③ 趣味や専門分野の深掘りトーク

同じ趣味や専門分野について深掘りした会話をするときも受験英語で培った単語力や文法力が役に立ちます。

映画ファン
映画ファン

I’ve always been fascinated by how film soundtracks influence our emotions.
For example, when the melody shifts from major to minor, it completely changes the mood of the scene.
(昔から映画のサウンドトラックが、どうやって人の感情に影響を与えるのかにすごく興味があるんだ。たとえば、メロディーが長調から短調に変わるだけで、そのシーンの雰囲気がガラッと変わるんだよね。)

受験英語を英会話に活かす方法3選

ここからは受験勉強の中で培った英語の知識を英会話に活かすための方法(アクションプラン)について紹介します。

方法① 英会話をする場所を選ぶ
方法② 英作文を瞬時に作るトレーニングをする
方法③ 受験英語で覚えた単語の使い方を復習する。

これらの内容を実行することで、「勉強したけど話せない」という状況から抜け出せることでしょう。

方法① 英会話する場所を選ぶ

一番最初に考えるべきことは勉強法ではなく「場所選び」です。

先ほど解説した通り場面によっては受験英語が役に立たないこともあります。モチベーションアップのためにも勉強した内容が発揮できる場所にいることは非常に重要です。

具体的には英会話の練習として以下のような場所を選び、受験英語が役に立つ環境を手に入れましょう。

  • 英会話サークル
  • 大学や会社での英会話
  • ビジネス英語向け英会話スクール

逆に「映画やドラマを一言一句聞き取る」や「外国人とのカジュアルな飲み会に参加する」などの方法は受験英語以外の要素が多分に含まれているため英語の上達が中々実感しにくいのが現状です。

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方法② 英文を瞬時に作るトレーニングをする

これまでの英語学習がリーディングなどインプット中心であった方は、瞬間英作文・英語のハノン・シャドーイング・1分間スピーチなどの方法で言いたいことを英語に変換する練習をしてください。

それぞれの勉強法の簡単な解説はこちら。

🧩 瞬間英作文(Shadow Translation)

「日本語を見て、瞬時に英語に言い換える」トレーニングです。
たとえば「私は昨日その店に行った」→ I went to the store yesterday. のように、文をすぐに組み立てる練習を繰り返します。
頭の中にある文法や単語を“使える形”にする訓練で、**反射的に英文を作る力(瞬発力)**が身につきます。
文法知識を「話す力」に変える最短ルートの一つです。


🎹 英語のハノン(English Hannon)

ピアノの“ハノン練習曲”のように、同じ文型を少しずつ変化させて口に出す英語トレーニング書。
「I can play the piano.」「I can play the guitar.」「I can play the drums.」のように文の構造を保ちながら単語を入れ替え、自然な英語の語順を体に染み込ませます。
英語のハノンは「文法・発音・リズム」を同時に鍛えられる教材として人気で、文法の定着+発話のスムーズさに効果的です。


🎧 シャドーイング(Shadowing)

ネイティブの音声を聞きながら、0.5〜1秒遅れでそのまま音声を追いかけて発話する練習法です。
リスニング力だけでなく、発音・イントネーション・英語のリズム感をまとめて鍛えられます。
慣れてくると、英語を「一語ずつ訳さずに」かたまりで理解する力がつき、英語脳の育成に最適です。


🗣️ 1分間スピーチ(One-Minute Speech)

身近なテーマ(休日の過ごし方、好きな映画など)について、即興で1分間話す練習法です。
原稿を丸暗記するのではなく、短時間で頭の中に英語の流れを作るのが目的。
構成(導入→理由→まとめ)を意識しながら話すことで、論理的に英語で伝える力が養われます。
英検面接やオンライン英会話の準備にも効果的です。

どの勉強法もこれまで単なる情報であった英語を「言語情報」に変換して、英会話の時にすぐに取り出せるようになる良い訓練になります。

方法③ 受験英語で覚えた単語の使い方を復習する

英会話には英作文のトレーニングだけではなく受験などで覚えた知識を英会話で使える知識にアップグレードする勉強も重要です。

特に動詞の使い方には注意が必要です。

例えば「insist(強く主張する)」と言う単語は知っている方も多いと思います。

実はこの単語は① insist + on または ② insist + that と組み合わせ使うことが一般的です。

insistを用いた例文

insist + on

She insisted on seeing the manager right away.
(彼女はマネージャーにすぐに会わせてほしいと主張した。)

insist + that

She insisted that she had seen him before.
(彼女は彼に以前会ったことがあると主張した。)

The lawyer insisted that his client (should) be released immediately.
(弁護士はクライアントは直ちに釈放されるべきだと主張した。)

つまり「insist = 強く主張する」と暗記するだけではなく、insist + on や insist + that など動詞の用法もしっかりと覚えて会話で使う練習が大事になるのです。

用法に注意が必要な動詞の例(高校レベル)

動詞典型構文・使い方意味のポイント例文
relyrely on + 名詞~に頼る(onが必須)You can’t rely on luck alone.
dependdepend on / upon + 名詞~次第である/依存するSuccess depends on effort.
objectobject to + 名詞 / doing~に反対するMany residents objected to the plan.
approveapprove of + 名詞~をよしとする/賛成するHis parents don’t approve of smoking.
participateparticipate in + 名詞~に参加する(“attend”と違う)She participated in the discussion.
consistconsist of + 名詞~から成るThe committee consists of ten members.
succeedsucceed in + 名詞 / doing~に成功するShe succeeded in solving the problem.
insistinsist on / that + 名詞 / 文~を強く主張するHe insisted on doing it himself.
confessconfess to + 名詞 / doing~を告白するHe confessed to cheating on the test.
complaincomplain about / of + 名詞 / doing~について不満を言うShe complained about the noise.

まとめ:受験英語は「無駄」ではなく「武器」になる

今回は巷で言われている「受験英語=話せない」の真相について詳しく解説しました。

受験英語は無駄なものではなく、ある程度内容のある英語を話すための「武器」になります。

場所選びと勉強法を間違えなければ努力した分確実に英語が話せる状態へ成長している実感を得ることができるでしょう。

当ブログではこれからも英検などの資格取得と英会話などの実用英語の両方を頑張りたい人を応援します。

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